■2017年10月13日 定期公演
- 狂言「呂蓮」野村万作
- 能「遊行柳」清水寛二
- 会 場
- 宝生能楽堂
- 日 時
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- 2017年10月13日(金)
- 午後6時開演(午後5時30分開場)
狂言 呂蓮
シテ | 僧 | 野村 万作 |
アド | 宿主 | 中村 修一 |
小アド | 妻 | 飯田 豪 |
諸国修行に出た僧は、東国行脚への途中で日が暮れかかり、一夜の宿を乞う。宿主は快く僧を迎え、僧がそこで行った説法に感動して出家することとなる。法名を欲しがる宿主に、名前を付けたことのない僧は、いろは手本と代々宿主の家の者に付けるという「蓮」を適当に組み合わせ、「ろ蓮」と名が決まる。そうとは知らずにそこにやってきた妻が、出家の姿となった宿主を見て…。
〈休憩15分〉
能 遊行柳
前シテ 後シテ |
尉 老柳ノ精 |
清水 寛二 |
ワキ | 遊行上人 | 宝生 欣哉 |
ワキツレ | 従僧 | 大日方 寛 |
〃 | 〃 | 則久 英志 |
アイ | 所ノ者 | 深田 博治 |
笛 | 一噌 庸二 | |
小鼓 | 幸 清次郎 | |
大鼓 | 柿原 崇志 | |
太鼓 | 小寺 佐七 | |
地謡 | 北浪 貴裕 | 柴田 稔 |
浅見 慈一 | 浅井 文義 | |
馬野 正基 | 観世銕之丞 | |
小早川 修 | 西村 高夫 | |
後見 | 浅見 真州 | |
谷本 健吾 |
秋の夕暮れ、一遍上人の教えを広めるために諸国を旅する遊行上人は、奥州へ行く途中、白河の関を過ぎたところで分かれ道に遭遇する。広い新道を行こうとすると、老人が現れ、いつかの遊行上人も通ったという古道へと遊行上人を導く。荒れ果てた道の先の古塚の上には名木朽木の柳が立っており、老人はその謂れを語り出す。「道のべに清水流るる柳蔭、暫しとてこそ立ち留まりつれ」。昔西行法師が旅の折にこの柳蔭で詠んだ歌のことを語り、遊行上人から念仏を授かると、朽木の柳の古塚に消え失せる。
遊行上人は重ねて念仏を唱え仮寝をしていると、白髪の老人の姿をした柳の精が現れ、先ほどの道案内の老人は柳の精の仮の姿であり、いま本体を現したと語る。草木までに至る念仏の功徳を讃え、さらに柳尽くしで次々と故事を語ったのち、報謝の舞を舞い、風吹く夜明けとともに消えてゆくのであった。
観世信光晩年作の閑寂な趣きの能。
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