■2018年05月11日 定期公演
狂言 咲嘩
シテ | 太郎冠者 | 野村 萬 |
アド | 主 | 野村万之丞 |
小アド | 咲嘩 | 野村 万蔵 |
後見 | 河野 佑紀 |
連歌の初心講(初心者の催す会)の当番になった主人は、田舎にはその道の第一人者である宗匠がいないので、その役を都の伯父に頼もうと、太郎冠者を使いに出す。伯父の名前も住まいも知らぬまま都へやってきた太郎冠者は、物売りの真似をして大声で呼び歩き伯父を探す。するとすっぱ(詐欺師)が伯父になりすまして名乗り出、太郎冠者はさっそく連れ帰ってしまう。主人はすっぱが「見乞いの咲嘩」であることに気がつき、穏便に帰らせるよう太郎冠者に言いつけるが…。
——————〈休憩10分〉———————
能 朝長
前シテ 後シテ |
青墓ノ長者 大夫之進朝長 |
浅見 真州 |
ツレ | 侍女 | 浅見 慈一 |
トモ | 従者 | 長山 桂三 |
ワキ | 旅僧 | 宝生 欣哉 |
ワキツレ | 従僧 | 大日方 寛 |
〃 | 〃 | 御厨 誠吾 |
アイ | 青墓長者ノ下人 | 能村 晶人 |
笛 | 竹市 学 | |
小鼓 | 幸 清次郎 | |
大鼓 | 國川 純 | |
太鼓 | 三島元太郎 | |
地謡 | 観世 淳夫 北浪 貴裕 馬野 正基 小早川 修 |
柴田 稔 清水 寛二 観世銕之丞 西村 高夫 |
後見 | 浅井 文義 | |
谷本 健吾 |
かつて朝長の傅(養育係)であった嵯峨清凉寺の僧は、美濃国青墓の宿で自害した朝長を弔うため、美濃国青墓の宿を尋ねる。朝長の墓所へ参り手を合わせていると、そこへ青墓の長者がやってくる。長者は朝長自害の晩に泊まっていた宿屋の女主人で、互いに朝長にゆかりがあることを知り、ともに死を悼む。長者は朝長最期の様子を語り、僧に一夜の宿を提供する。
僧達が観音懺法で朝長を弔っていると、御法の声にひかれて朝長の幽霊が現れた。朝長は自らの最期を語り、修羅道に落ちた苦しみをあらわして、さらなる回向を願い、消えていくのであった。
平治の乱で敗れた義朝一行は都を落ち、青墓宿(現在の岐阜県大垣市青墓)で朝長は自害、父義朝も裏切られ、討たれてしまう。当時十六歳で自害した朝長。その悲痛な最期が前場と後場で異なる人物により、鮮烈に語られる。異格の修羅能。
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