■2022年06月10日 定期公演
- 能「通盛」馬野正基
- 狂言「杭か人か」野村萬斎
- 能「鉄輪 早鼓之伝」観世銕之丞
- 会 場
- 宝生能楽堂
- 日 時
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- 2022年6月10日(金)
- 午後6時開演(午後5時30分開場)
能 通盛(みちもり)
前シテ 後シテ |
漁翁 平通盛 |
馬野 正基 |
ツレ | 小宰相局 | 北浪 貴裕 |
ワキ | 僧 | 舘田 善博 |
ワキツレ | 従僧 | 則久 英志 |
アイ | 鳴門ノ浦人 | 野村太一郎 |
笛 小鼓 大鼓 太鼓 |
八反田智子 観世新九郎 柿原 弘和 小寺 佐七 |
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地謡 | 小早川泰輝 青木 健一 安藤 貴康 鵜澤 光 |
観世 淳夫 浅見 慈一 浅井 文義 長山 桂三 |
後見 | 鵜澤 久 | |
谷本 健吾 |
舟漕ぐ楫音が静かに鳴り響く、阿波鳴門の浦。そこで一夏を送る僧が、平家一門を弔い毎夜の読経をしていると、釣舟に乗った夫婦が現れる。夫婦は篝火を寄せて真夜中の読経を手助けし、この浦に入水した小宰相局のことを語り、海底へと姿を消す。
先刻の夫婦は平通盛とその妻小宰相局の幽霊であったかと僧が供養をしていると、読経の声に引かれて在りし日の姿で夫婦の霊が現れた。通盛は局との最後の逢瀬、合戦の有様を見せ、読誦の声に心を和らげ成仏するのであった。
戦乱の世を生きた二人の悲恋を描いた能。
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——————〈休憩10分〉———————
狂言 杭か人か(くいかひとか)
シテ | 太郎冠者 | 野村 萬斎 |
アド | 主 | 石田 幸雄 |
主人は自分の外出時に太郎冠者が留守番をせずにうちを空けていると聞いたので、出かけたふりをして冠者の様子を窺うことに。そして主人に見張られていることに感づいた冠者は、屋敷の中を離れないことにするもどうも落ち着かず…。
能 鉄輪 早鼓之伝(かなわ はやつづみのでん)
前シテ 後シテ |
女 女ノ生霊 |
観世銕之丞 |
ワキ | 安倍晴明 | 福王 和幸 |
ワキツレ | 男 | 村瀬 慧 |
アイ | 社人 | 野村 裕基 |
笛 小鼓 大鼓 太鼓 |
杉 信太朗 成田 達志 亀井 広忠 小寺眞佐人 |
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地謡 | 小早川泰輝 安藤 貴康 観世 淳夫 谷本 健吾 |
泉 雅一郎 柴田 稔 西村 高夫 小早川 修 |
後見 | 清水 寛二 | |
浅見 慈一 |
深夜丑の刻。貴船神社の社人は、夫に離別され恨み事を呟きながら貴船神社へ詣でる女に、霊夢により受けた神託を伝える。それは、鉄輪を頭に戴き三本の脚に火を灯し、顔には赤く丹を塗り、赤い衣を着て、怒る心を持ってすれば必ず望みは思いのままになる、というものであった—。
一方、夫は最近夢見が悪いので陰陽師の安倍晴明を訪ねる。晴明が祈祷を始めると、鉄輪を戴き鬼となった女が現れ、夫の枕元に立ち、命を取ろうと殺気立つ。しかし守護神たちに責められ衰弱した女は、後日を期して消えるのであった。
凄烈な嫉妬心を描いた、報復を願う女の能。
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