
2023年前期 公開講座と能鑑賞
~ 講座「能『雨月』『舎利』の魅力を探る」~
第1回:6月2日(金)午後6時30分
第2回:6月9日(金)午後6時
*定期公演鑑賞
第3回:6月16日(金)午後6時30分
●会場
銕仙会能楽研修所(第2回のみ宝生能楽堂)
全3回通し券(鑑賞指定席券を含む)一般8,000円、U25(25歳以下)5,500円
講座1回券 一般2,000円、U25(25歳以下)1,500円
※全3回通し券の能鑑賞のお席はお申込み順に決めさせて頂きます(講座は全席自由席)。
※鑑賞券のみのお申込みも承っております。詳しくは銕仙会まで。
S席6,500円、A席6,000円、B席4,500円、C席4,000円、U25(25歳以下)2,700円
銕仙会(てっせんかい)
TEL.03-3401-2285(平日10時-17時)
*インターネットでのお申し込みは承っておりません。
[第1回]6月2日(金)午後6時30分 於 銕仙会能楽研修所
1、能「雨月」「舎利」を読む
高橋 悠介
西行と風雅な老夫婦との和歌をめぐる交流を描く「雨月」の背景には、中世の人々が西行について抱いていたイメージや、和歌の神としての住吉明神信仰があります。また、「舎利」の背景には、宋代仏教の影響下に広がった仏牙舎利や韋駄天の信仰があり、こうした点をふまえながら、能作品を読み解きます。
[第2回]6月9日(金)午後6時 於 宝生能楽堂(銕仙会定期公演)
能「雨月」 浅井 文義
狂言「二千石」石田 幸雄
能「舎利」 谷本 健吾
秋の夕暮れ、住吉明神へ参詣途中の西行法師は、ある老夫婦に一夜の宿を乞う。その庵は軒端が半分だけ葺かれており、主の尉は軒端を葺いて雨音の風情を愛でたいが、姥は月を眺めるため軒端を葺くまいと風流な論争をしている。尉が呟いた「賤が軒端を葺きぞわずらふ」に、上の句「月は洩れ雨はたまれととにかくに」と付けた西行。感服した夫婦は西行を庵に招き入れ、秋の風情を楽しむ。やがて夫婦は姿を消し、宮人に憑依した住吉明神が現れて…。
主人に無断で旅に出かけ、京都の寺社参詣に行ってきた太郎冠者。冠者は都で流行る「二千石」の謡を習ってきたので主人に披露するが、この謡は先祖伝来の大切な封じ物であった。怒った主人は由来を冠者に語って聞かせ…。
京都泉涌寺の仏舎利(釈迦の遺骨)を拝む僧の前に現れた怪しげな男は、里人を装い現れた足疾鬼であった…。突然空がかき曇り、仏舎利を奪い去った足疾鬼は、寺を守護する韋駄天に追われ、天上界を縦横無尽に駆け回る。逃げ惑う足疾鬼はやがて懲らしめられて力尽き、韋駄天は無事舎利を取り返したのであった。
足疾鬼と韋駄天が一騎打ちとなって三千世界を駆け回る、壮大な追跡劇。
[第3回]6月16日(金)午後6時30分 於 銕仙会能楽研修所
1、対談 能「雨月」「舎利」—解釈と演出
高橋 悠介
観世銕之丞
2、実技 仕舞
笠之段 | 長山 桂三 |
龍虎 | 谷本 健吾 安藤 貴康 |
北浪 貴裕
鵜澤 光
青木 健一
■講師プロフィール
高橋 悠介(たかはし ゆうすけ)
一九七八年生まれ。慶應義塾大学附属研究所斯道文庫教授。観世文庫評議員。専門は日本中世文学(特に能楽)及び寺院資料研究。著書に『禅竹能楽論の世界』(慶應義塾大学出版会、二〇一四年)、編著に『宗教芸能としての能楽』(勉誠出版、二〇二二年)などがある。