第六回 三人の会
- 能「隅田川」谷本健吾
- 狂言「蝸牛」山本則俊
- 一調「勧進帳」川口晃平
- 能「融 思立之出・十三段之舞」坂口貴信
- 会 場
- 観世能楽堂(全席指定)
- 日 時
-
- 2021年3月13日(土)
- 12時開演(11時20分開場)
- 16時30分頃終演予定
- 入場料
- こちらをご覧下さい
- 主催
- 三人の会

チケット発売開始 2020年12月11日(金)
観世能楽堂 TEL 03-6274-6579(10〜17時)
観世ネット www.kanze.net
- ■事前講座■
「三人の会」同人の三名が見どころ、聴きどころ、曲への思い、また当日の曲に関連する能面や小道具をご覧頂き、当日の舞台をより楽しんで頂けるよう解説致します。
※要予約。席数に限りがございますので、チケットをお持ちのお客様も、予めご予約を賜わりますようお願い致します。 - 日時:2021年2月26日(金)19時始(18時30分開場)
- 会場:国立能楽堂2階 大講義室
- 講座代:チケットをお持ちの方は無料。チケットをお持ちでない方は2,000円
- 事前講座のご予約: オフィス能プロ.
e-mail nohpro.9610mnod@gmail.com
FAX 03-6265-8376
仕舞
敦盛(あつもり) | 谷本悠太朗 |
小鍛冶(こかじ) | 谷本 康介 |
地謡 |
井上裕之真 坂口 貴信 観世 淳夫 川口 晃平 |
能 隅田川(すみだがわ)
シテ | 狂女 | 谷本 健吾 |
子方 | 梅若丸 | 安藤継之助 |
ワキ | 渡守 | 宝生 欣哉 |
ワキツレ | 旅人 | 大日方 寛 |
笛 | 松田 弘之 | |
小鼓 | 観世新九郎 | |
大鼓 | 亀井 忠雄 | |
地謡 | 関根 祥丸 林 宗一郎 観世 淳夫 馬野 正基 |
鵜澤 久 西村 高夫 観世銕之丞 柴田 稔 |
後見 | 清水 寛二 | |
鵜澤 光 |
春爛漫の隅田川。渡守が客を待つところに都から遥々やって来たという狂女が現れ、乗船を乞う。しかし面白く狂わねば船には乗せぬと断る渡守。女が『伊勢物語』を引用してその無粋を諌めると、渡守は風流を解する女に感心し、船に乗せる。
折しも対岸では人々が集まり、大念仏の法要が行われている。渡守はこれには哀れな物語があると事の次第を語り始める。
ちょうど一年前の今日、奥州に下る人商人に同行する少年が病にかかり、無惨にもこの地に捨てられて死んだという。あれはその弔いの大念仏なのだ…。
船が対岸に着いた。しかし女は船から降りようとしない。実はその死んだ少年こそが女の捜し求める我が子梅若丸だったのだ。女は土を盛っただけの簡素な梅若丸の墓へと案内されると、我が子よもう一度その姿を見せてくれと墓前に泣き崩れる。
はや月が昇り、夜も更けた。女は渡守に勧められるまま鉦鼓を鳴らして念仏を唱える。やがて大念仏の声々に梅若丸の声が重なって聞こえ、塚から梅若丸の亡霊が姿を現す。思わず駆け寄る女。だが無情にも我が子に触れることは適わず、幻のように姿を消してしまう。
やがて白々と夜が明け、後に残るはただ草茫々たる古塚だけであった…。
世阿弥の息子、観世元雅作の春の名作物狂能。のどかな春景色や悠久の流れを湛える隅田川との対比によって強調された母子の悲劇は、時代を超えて観る者の胸を深く打ち続ける。
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狂言 蝸牛(かぎゅう)
シテ | 山伏 | 山本 則俊 |
アド | 主人 | 山本 則重 |
〃 | 太郎冠者 | 山本 則秀 |
後見 | 若松 隆 |
大和葛城山での修行を終えた出羽国、羽黒山の山伏が長旅に疲れ、薮の中で寝入ってしまう。
そこへ主人に頼まれ、寿命長遠の薬になるという蝸牛(かたつむり)を捕まえに来た太郎冠者が現れる。
ところが冠者はこれまで蝸牛を見たことがない。主人の話しによれば蝸牛は藪におり、頭が黒く腰に貝を着け、時々角を出すもので、年を経たものは人ほどの大きさのものもあるという。
薮に入った冠者は主人から聞いていた蝸牛の特徴と山伏の姿がそっくりであることから、山伏を蝸牛と勘違い。主人の元へ連れ帰ろうとする冠者をなぶってやろうと、山伏は蝸牛の振りをして…。
音曲に浮かれ踊る楽しさと、ナンセンスとも言える勘違いが笑いを誘う狂言。
一調 勧進帳
川口 晃平 | ||
大鼓 | 亀井 忠雄 |
平家追討後、兄頼朝に追われる身となった義経主従は山伏に姿を変え、奥州藤原氏を頼り落ちゆく。途中さしかかった安宅の関において、関守・富樫に見咎められると、弁慶は咄嗟の機転で巻物を東大寺再建の勧進帳と偽り、見事に読み上げて窮地を脱した。
歌舞伎「勧進帳」の原型ともなった能「安宅」。その山場の一つである、弁慶が勧進帳を声も高らかに読み上げる場面を謡物として独立させたこの「勧進帳」は、「三読物」の一つとして、非常に重く扱われている。今回は謡と大鼓のみにて演奏する一調にて上演する。
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仕舞
西行桜 | 観世 清和 |
花筐 | 観世銕之丞 |
地謡 | 清水 義也 柴田 稔 観世 喜正 馬野 正基 |
能 融 思立之出・十三段之舞(とおる おもいたちので・じゅうさんだんのまい)
前シテ 後シテ |
尉 融大臣 |
坂口 貴信 |
ワキ | 旅僧 | 森 常好 |
アイ | 清水寺門前ノ者 | 山本 則重 |
笛 | 竹市 学 | |
小鼓 | 飯田 清一 | |
大鼓 | 亀井 広忠 | |
太鼓 | 林 雄一郎 | |
地謡 | 井上裕之真 安藤 貴康 川口 晃平 谷本 健吾 |
清水 義也 観世 喜正 観世 清和 浅見 重好 |
後見 | 坂口 信男 | |
林 宗一郎 | ||
観世三郎太 |
東国の僧が秋の都を訪れ、うら寂れた六条河原院の旧跡でしばし休らう。
やがて田子を担った潮汲の老人が現れた。海から離れたこの地に不似合いな潮汲姿の老人を不審に思い、僧が声を掛ける。
老人はここはかつて栄華を極めた左大臣源融の旧邸で、陸奥の千賀の塩竈を模して造った場所なのだから海辺も同然、この潮汲姿も何ら不思議ではないという。
さらに今は主もなく廃虚となってしまった河原院の秋の風情に二人は眺め入り、しばし語らう。昔融大臣が難波の御津の浜から毎日海水を汲ませ、ここで汐を焼かせて優雅に御遊なされた。しかし大臣亡きあと、この河原院を継ぐ者もなく、すっかり荒れ果ててしまった。その物寂しさはここを訪れた紀貫之が歌に詠んだ程であったと老人は語って昔を偲び、この辺りの名所旧跡を教える。
ふと見れば、空には中秋の名月。老人は皓々と冴え渡る月下に汐汲みの様を見せると、そのまま潮曇に紛れるように消え失せてしまう。
深更、仮寝する僧のもとに融大臣の霊が在りし日の姿で現れ、かつてこの河原院で過ごした華やかな御遊の日々を思い、月の光射す河原院の廃虚で懐旧の舞を舞う…。
光源氏のモデルとも言われる源融。その失われた優雅な日々の情景が、その象徴とも言える月下の河原院に浮かび上がる。世阿弥作による詩情あふれる秋の名作能。
「十三段之舞」は重い習の小書(特殊演出)で、通常は五段の早舞を十三段舞い重ねるという、融大臣の華やかな御遊の様子を強調した演出となる。
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入場料(全席指定) | |
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SS席 | 12,000円 |
S席 | 10,000円 |
A席 | 7,000円 |
B席 | 5,000円 |
学生 | 3,000円 |
※学生席は要事前申込。30歳未満(通信教育、放送大学等を除く)