■2015年11月25日 青山能
- 仕舞「屋島」安藤貴康
- 仕舞「梅枝キリ」柴田稔
- 狂言「狐塚・小唄入」山本則孝
- 能「安達原」観世淳夫
- 会 場
- 銕仙会能楽研修所
- 日 時
-
- 2015年11月25日(水)
- 午後6時30分開演
仕舞
|
安藤 貴康 |
|
柴田 稔 |
地謡 | 鵜澤 光 |
北浪 貴裕 | |
馬野 正基 | |
谷本 健吾 |
狂言 狐塚 小唄入
シテ | 太郎冠者 | 山本 則孝 |
アド | 主 | 山本 則秀 |
〃 | 次郎冠者 | 山本泰太郎 |
狐が出るという狐塚に行き、田の鳥を追い払うよう主人から命じられた太郎冠者と次郎冠者。
二人が小唄を歌いつつ鳴子で鳥を追い、一休みしていると、主人があまりに夜寒であるからと二人のもとにねぎらいの酒を持ってやって来る。
二人は狐が化けて出たのだと思い…。
「小唄入」は大蔵流にのみ伝わる小書。小唄を歌い、鳴子で鳥を追う姿に秋の情緒が感じられる狂言。
能 安達原
前シテ 後シテ |
里女 鬼女 |
観世 淳夫 |
ワキ | 山伏祐慶 | 舘田 善博 |
ワキツレ | 供山伏 | 森 常太郎 |
アイ | 能力 | 山本凜太郎 |
笛 | 槻宅 聡 | |
小鼓 | 鳥山 直也 | |
大鼓 | 佃 良太郎 | |
太鼓 | 林 雄一郎 |
地謡 | 小早川泰輝 | 谷本 健吾 |
青木 健一 | 小早川 修 | |
安藤 貴康 | 長山 桂三 | |
後見 | 観世銕之丞 | |
岡田 麗史 |
熊野の山伏、祐慶一行が旅の途中、奥州安達原に着き、人里離れた荒野の一軒家に宿を乞う。庵に一人暮らす女は月明かりが静かに庵に射し込む中、賎が業である糸繰りの様を見せ、儚いこの世に浅ましくも糸を繰って明け暮らす憂き身を嘆く。
やがて女はあまりの夜寒に山に薪を取りに出ることにするが、自分の留守中に決して閨の内を覗かぬようにと固く言い置き、山へ向う。
見るなと言われれば余計見たくなるのが人というもの。山伏に同行していた能力が閨の内を覗き見ると、そこには夥しい数の死体が山と積まれているではないか。
一行は此処こそが鬼が出るという安達原の黒塚であったかと驚き、一目散に逃げる。
裏切られたと知った女は鬼女となり、鬼一口に喰おうと鉄杖を振り上げ、山伏たちに襲い掛かる…。
人間が本来的に持つ二面性や罪業、あるいは輪廻の苦しみや孤独感といったものを賎が女が繰る枠桛輪を効果的に使って描いた名作能。
さらに詳しい解説は〈こちら〉から