■2016年10月14日 定期公演
- 狂言「縄綯」山本泰太郎
- 能「松風 見留」浅見真州
- 会 場
- 宝生能楽堂(全席指定)
- 日 時
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- 2016年10月14日(金)
- 午後6時開演(午後5時30分開場)
狂言 縄綯
シテ | 太郎冠者 | 山本泰太郎 |
アド | 主 | 山本 則孝 |
〃 | 何某 | 山本東次郎 |
主人の借金の形に何某の元へやられ、それが気にくわぬ太郎冠者は何かと理由をつけては一向に働く気配がない。仕方なく一旦もとの主人の元へと戻された冠者は主人の言いつけで縄を綯い始める。
やがて冠者は主人の博奕を諌め、何某の悪口を次々と並べ立て始めるが…。
冠者のお調子者振りと一人しゃべりが見所の狂言。
能 松風 見留
シテ | 松風 | 浅見 真州 |
ツレ | 村雨 | 長山 桂三 |
ワキ | 旅僧 | 宝生 欣哉 |
アイ | 浦人 | 山本凜太郎 |
笛 | 藤田六郎兵衛 | |
小鼓 | 大倉源次郎 | |
大鼓 | 柿原 崇志 | |
地謡 | ||
安藤 貴康 | 馬野 正基 | |
谷本 健吾 | 西村 高夫 | |
北浪 貴裕 | 観世銕之丞 | |
浅見 慈一 | 柴田 稔 | |
後見 | 浅井 文義 | |
清水 寛二 |
月の煌々と輝く秋の摂津国須磨の浦を訪れた旅の僧。浜辺の由緒ありげな松が二人の海人姉妹、松風・村雨の旧跡であると知った旅僧は、読経して二人を弔う。
やがて日が暮れ、浜辺に汐汲車を引いた二人の海人が現れ、汐を汲む。
二人は自分たちこそかつて在原行平に寵愛を受けた松風・村雨の霊だと涙ながらに明かし、身分違いの恋の妄執を晴らしてくれるよう僧に頼む。
やがて松風は行平の形見の衣装をかき抱き、行平への思いが募るあまり衣装を身に着けると狂乱し、浜辺の松を行平と見誤って駆け寄り、舞い狂う。
松に吹く風も狂い乱れ、波も激しく打ち寄せるうちにも、やがて僧の夢は覚め、夜明けの松に風の吹き付ける松風の音が残るばかりであった。
月光、波音、松風の音。須磨の浦に交錯する様々なイメージの中に、哀切なる姉妹の激しい愛をしっとりと描いた世阿弥改作の名作能。
前半の詩情溢れる月下の汐汲みや、後半の松風の思い故の狂乱が見せ場となっている。
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