銕仙会

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銕仙会上演記録

■2023年05月24日 青山能

  • 狂言「棒縛」野村拳之介
  • 能「忠度」長山桂三
会 場
銕仙会能楽研修所
日 時
  • 2023年5月24日(水)
  • 午後6時30分開演

銕仙会青山能〈5月〉

狂言 棒縛(ぼうしばり)

シテ 太郎冠者 野村拳之介
アド 石井 康太
小アド 次郎冠者 河野 佑紀
     
  後見 野村 万蔵

主人の留守中に酒を盗み飲みする太郎冠者と次郎冠者。主人は二人をこらしめようと、棒術の稽古をする太郎冠者の手と棒を縛り上げ、続いて次郎冠者も後ろ手に縛り上げて外出することに。残された両人は、それでもなお酒が飲みたくて…。

能 忠度(ただのり)

前シテ
後シテ

薩摩守忠度
長山 桂三
ワキ 旅僧 村瀬  提
ワキツレ 従僧 村瀬  慧
矢野 昌平
アイ 里人 野村万之丞
     

小鼓
大鼓
藤田 貴寛
岡本はる奈
佃 良太郎
   
地謡 小早川康充
青木 健一
安藤 貴康
北浪 貴裕
小早川 修
馬野 正基
   
後見 浅見 慈一
観世 淳夫

和歌の巨匠藤原俊成に仕えた身内のものたちは、俊成亡き後出家し、西国行脚を志す。旅路の途中須磨の浦に到ると、山陰の一本の桜に回向する塩焼きの尉と出会う。海辺の浦風に散る桜、立ち昇る塩焼く煙が淋しく趣深い、ここ須磨の浦。尉と問答をするうちに日が暮れると、旅僧一行は一夜の宿を乞う。

尉は「行き暮れて 木の下陰を宿とせば 花や今宵の主ならまし」という平忠度の詠歌を示し、この花の陰ほどの宿はないのだと述べ、さらにこの若木の桜は忠度の墓標だと語る。一行が手向けの読経を行うと、尉は花の陰にて夢告を待てと告げ、姿を消す。
朝敵の身であるがゆえ『千載集』に「読み人知らず」とされた忠度の詠歌。この浮かばれない妄執を抱えた忠度は、作者の名を明らかにして欲しいという悲願を俊成の後嗣である定家に告げて欲しいと、一行の夢中に現れた。

文武二道に長けた忠度は、生前都落ちの直前に俊成の家に行き詠歌を託したこと、岡部六弥太に討たれた一ノ谷の合戦での最期を語る。そして一行に回向を頼み、桜と一体となったかのように姿を消すのであった。

さらに詳しい解説は〈こちら〉から

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