■2024年04月12日 定期公演
狂言 咲嘩(さっか)
シテ | 太郎冠者 | 野村 万蔵 |
アド | 主 | 河野 佑紀 |
小アド | 咲嘩 | 石井 康太 |
後見 | 野村拳之介 |
主人の伯父を訪ねるため、都へと向う太郎冠者。
さて都に着いたは良いが、伯父の顔も家も知らぬ冠者は往来で大声を出し、伯父を呼び歩くことに。するとそこへ伯父を名乗る男が現れ、冠者は意気揚々と男を連れ帰る。しかし連れ帰った男を見て主人は大慌て。あれは見ごいの咲嘩という大盗人だと言い、適当にあしらって穏便に追い帰そうとするが…。
————〈休憩15分〉————
能 当麻(たえま)
前シテ 後シテ |
化尼 中将姫 |
馬野 正基 |
ツレ | 化女 | 浅見 慈一 |
ワキ | 旅僧 | 福王 和幸 |
ワキツレ | 従僧 | 矢野 昌平 |
〃 | 〃 | 村瀬 慧 |
アイ | 当麻寺門前ノ者 | 野村万之丞 |
笛 小鼓 大鼓 太鼓 |
一噌 隆之 曾和 正博 國川 純 小寺眞佐人 |
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地謡 | 安藤 貴康 | 観世 淳夫 |
鵜澤 光 | 片山九郎右衛門 | |
谷本 健吾 | 浅井 文義 | |
北浪 貴裕 | 小早川 修 | |
後見 | 観世銕之丞 | |
清水 寛二 |
三熊野参詣の帰途、旅の念仏僧が大和国二上山麓の当麻寺を訪ねる。すると老尼と若い女が阿弥陀如来を讃えつつ現れ、かつて曼荼羅のために集められた大量の蓮糸を濯ぎ清めて五色に染めたという染殿の井、またその糸をかけて干したという桜の木などを僧に教える。
さらに老尼は花盛りの春景色を愛で、この寺に伝わる当麻曼荼羅の由来を物語る。かつて生身の弥陀を拝したいと大願を起こした中将姫は、この寺に籠って念仏三昧の日々を過ごした。すると老尼姿の阿弥陀如来が来迎し、その助力によって曼荼羅が織り上げられたのだ…。
また実は自分たちこそがその時に現れた化尼化女(阿弥陀如来と観世音菩薩の化身)なのだと明かし、二人は紫雲に乗って空高く消え失せてしまう。
やがて歌舞の菩薩となった中将姫が経巻を手に現れ、仏法を礼賛して僧に経巻を与え、厳かに舞を舞う…。
一夜にして織り上げられたという当麻曼荼羅。その法悦の世界が繰り広げられる世阿弥作の重厚な宗教劇。
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