■2017年05月12日 定期公演
能 忠度
前シテ 後シテ |
尉 薩摩守忠度 |
柴田 稔 |
ワキ | 旅僧 | 舘田 善博 |
ワキツレ | 従僧 | 森 常太郎 |
〃 | 〃 | 則久 英志 |
アイ | 里人 | 善竹富太郎 |
笛 | 藤田 次郎 | |
小鼓 | 古賀 裕己 | |
大鼓 | 柿原 光博 | |
地謡 | 鵜澤 光 | 北浪 貴裕 |
観世 淳夫 | 馬野 正基 | |
安藤 貴康 | 小早川 修 | |
長山 桂三 | 浅見 慈一 | |
後見 | 観世銕之丞 | |
北浪 昭雄 |
須磨の浦を訪れた藤原俊成ゆかりの僧が桜の木陰でしばし休んでいると、不思議な老樵が現れた。一夜の宿を乞う僧に老人は「行き暮れて木の下蔭を宿とせば花や今宵の主ならまし」という平忠度の歌を引き、この桜の木陰に勝る宿はないと言うと、僧に忠度の回向を頼んで消え失せる。
夜半、木陰でしばし微睡む僧の前に忠度の霊が現れた。忠度は生前に和歌の師である俊成に託した自らの歌が、死後朝敵ゆえに詠人知らずとされたことが執心となっているのだと語り、一ノ谷での最期の合戦の有様を見せる。
和歌への妄執を主題とした風雅な修羅能。
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〈休憩10分〉
狂言 八句連歌
シテ | 何某 | 善竹 十郎 |
アド | 亭主 | 善竹富太郎 |
借金をなかなか返さないので、貸主は金を貸した男の家に取り立てに出向く。男は居留守を使って逃げようとするが、あえなく見つかり返済を迫られる。
連歌の友でもある二人は借金返済の催促と言い訳の駆け引きを巧みに連歌に詠み込んで付け合い…。
借金と当時流行した連歌を巧みに結びつけた風流な狂言。
能 鉄輪
前シテ 後シテ |
女 女ノ生霊 |
谷本 健吾 |
ワキ | 安倍晴明 | 御厨 誠吾 |
ワキツレ | 男 | 大日方 寛 |
アイ | 社人 | 善竹大二郎 |
笛 | 寺井 宏明 | |
小鼓 | 田邊 恭資 | |
大鼓 | 亀井 洋佑 | |
太鼓 | 林 雄一郎 | |
地謡 | 小早川泰輝 | 鵜澤 久 |
安藤 貴康 | 浅井 文義 | |
長山 桂三 | 山本 順之 | |
泉 雅一郎 | 西村 高夫 | |
後見 | 清水 寛二 | |
観世 淳夫 |
夫に捨てられた恨みから夜毎貴船神社に丑の刻詣をする女。赤い衣を着て顔に丹を塗り、火を灯した鉄輪を頭に戴けば鬼になれるという神の告げを聞き、女は消え失せる。
その頃、夫は近頃夢見が悪いというので安倍晴明のもとを訪ねて祈祷を乞う。晴明が早速夫と後妻の人形を作って祈祷すると、鬼の如き凄まじい形相をした女が現れた。女は夫の不義を責め、人形の後妻の髪を手にからめ取ると思い知れとばかりに打ち据え、夫を取り殺そうとする…。
女性の嫉妬故の怨み、怒り、悲しみといった感情を強烈なまでに描いた能。
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