■2018年06月08日 定期公演
- 能「釆女 美奈保之伝」観世銕之丞
- 狂言「吹取」野村萬斎
- 能「野守」長山桂三
- 会 場
- 宝生能楽堂(全席指定)
- 日 時
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- 2018年6月8日(金)
- 午後6時開演(午後5時30分開場)
能 釆女 美奈保之伝
前シテ 後シテ |
里女 釆女 |
観世銕之丞 |
ワキ | 旅僧 | 森 常好 |
ワキツレ | 従僧 | 森 常太郎 |
〃 | 〃 | 梅村 昌功 |
アイ | 里人 | 野村太一郎 |
笛 | 松田 弘之 | |
小鼓 | 鵜澤洋太郎 | |
大鼓 | 柿原 崇志 | |
地謡 | 観世 淳夫 安藤 貴康 谷本 健吾 北浪 貴裕 |
鵜澤 久 西村 高夫 浅井 文義 小早川 修 |
後見 | 山本 順之 | |
清水 寛二 |
晩春の夜更け、諸国を旅する僧が春日の里へやってくる。僧はどこからか現れた女に名池猿沢の池へと案内される。そこは昔帝からの寵愛を失った采女(帝に奉仕した下級の女官)が身投げした池であった。死した采女の姿は美しく、帝は歌を詠み采女の死を悼んだ。僧に回向を頼みそう語ると、女は采女の幽霊であると明かし、池水の底へと消える。
僧たちが池のほとりで弔っていると、采女の霊が現れ、宮廷の日々を懐かしみ舞を舞う。君の御代と国土安穏を祝い、池の波へと消えてゆくのであった。
美奈保之伝の小書が付くと春日神社の縁起や采女の故事等が省略され、悲劇的な采女の入水が焦点となる。
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——————〈休憩10分〉———————
狂言 吹取
シテ | 何某 | 野村 萬斎 |
アド | 男 | 深田 博治 |
小アド | 女 | 飯田 豪 |
男は妻乞いのため、清水寺に祈願をすると、月の夜五条橋で笛を吹き、その音につられて現れた女を妻にせよ、とのお告げを得る。笛が吹けない男は、笛の上手だという見知りの何某に頼み込み、笛を吹いてもらうと、小袖を被いた女が現れた。声をかけると女は男でなく何某のほうへと…。
能 野守
前シテ 後シテ |
野守ノ翁 鬼神 |
長山 桂三 |
ワキ | 山伏 | 御厨 誠吾 |
アイ | 春日ノ里人 | 内藤 連 |
笛 | 藤田 貴寛 | |
小鼓 | 幸 正昭 | |
大鼓 | 原岡 一之 | |
太鼓 | 林 雄一郎 | |
地謡 | 小早川泰輝 観世 淳夫 青木 健一 安藤 貴康 |
北浪 貴裕 馬野 正基 柴田 稔 浅見 慈一 |
後見 | 浅見 真州 | |
鵜澤 光 |
春めく春日の里を訪れた羽黒山の山伏のもとに、野の番人、野守の翁が現れる。山伏は由ありげな溜まり水のことを翁に尋ねると、そこは野守が姿を映す「野守の鏡」だという。そして本来の野守の鏡とは、昔この辺りの塚に住んだ鬼神の鏡のことであると翁は語る。さらに古歌「はし鷹の野守の鏡得てしがな思ひ思はず外ながら見ん」の故事を語り塚の内へと入ってしまう。
山伏が祈祷をしていると、鏡を手にした鬼神が現れた。鬼神は天地の有様を隈なく鏡に映すと、地獄の底へと帰っていくのであった。
おおらかな古代詩的世界と雄渾な神秘世界が対比的に繰り広げられる鬼能。
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