銕仙会

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能の歴史

2 室町時代

室町時代、さまざまな寺社をパトロンとして、多くの座(劇団)が成立するようになっていました。
なかでも、興福寺を基盤とする大和猿楽の中からは観阿弥・世阿弥の親子が登場し、将軍足利義満の後援を得て京都にも進出しました。観阿弥は先行芸能である曲舞くせまいを能に摂取し、それまでの小歌こうたではできなかった長文の作詞を可能にし、対話の面白さを見せる作品を作りました。世阿弥は、能の内容や芸術理論を深化させ、こんにちに伝わる能の基礎をつくりあげました。「幽玄」を重視する能の作風、霊が登場して自らを語る複式夢幻能の形式などは、世阿弥によって整えられたものです。
彼らは、田楽や、比叡山を基盤とする近江猿楽などのライバルたちとしのぎを削りましたが、次第に大和猿楽が優勢になっていきました。(現在の能楽の諸流派はこの大和猿楽の流れに属します。)
観阿弥の代表作 ─── 〈求塚〉〈卒都婆小町〉〈自然居士〉など
世阿弥の代表作 ─── 〈井筒〉〈高砂〉〈清経〉〈融〉〈砧〉など
世阿弥の芸術論 ─── 『(風姿)花伝』『花鏡』『申楽談義』など
こうして世阿弥により整えられた能の様式をふまえて、さらに発展させた能を作っていったのが、彼の息子たちの世代でした。世阿弥の息子の観世元雅かんぜもとまさや娘婿の金春禅竹こんぱるぜんちくもまた、こんにちに伝わる名作を書いています。
また、作品こそ遺していないものの、世阿弥の甥の音阿弥おんあみはすぐれた役者として将軍家の寵愛を受け、大和猿楽の地位を確かなものにしていきました。
観世元雅の代表作 ─── 〈隅田川〉〈弱法師〉〈朝長〉など
金春禅竹の代表作 ─── 〈芭蕉〉〈野宮〉〈定家〉など

 


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